NO. 653 私が見てる
「うちはオビトと言ったか?」
「その名は今誰を指すのだろうな?」
「十尾と融合したことで俺は新しい次元に到達した」
「俺はもはや人間ではない」
「俺は人類を次の段階へと導く者」
「俺の意思 俺の身体は六道仙人に等しい」
「俺は第二の六道仙人だ」
「違う!」
「お前はうちはオビトだ」
尾獣チャクラを接続した際に垣間見たオビトの記憶から、
「俺たちは似たもの同士だ」とナルト。
「俺とお前が似ているからこそ」
「お前にもこの世界がいかに希望なきものか考えてみてほしいのだ」
「火影になるよりこの方法の方が世界に平和をもたらせる」とオビト。
「………」
「ほんとにそう思ってんのか…?」
「……」
「…本気でそう思ってんのか?」
「……」
強い眼差しで見つめナルトに、オビトは目を伏せる。
オビトの目に浮かぶのは、
嘗てリンに「俺が火影になってこの戦争を止める」
そう宣言したときのこと。
そして…
「ああ そう思っている」
「目的への近道を知っている人間は」
「往々にしてその道を選択するだろう」
「火影の目標は世界に平和をもたらすことであるべきだ」
そんなオビトに火影とは何たるかを語るナルト
「火影になるのに近道なんてねぇ」
「お前が火影になったって責任から逃げだすだろうよ」
「……」
―再度オビトの回想―
先頭により負傷し、リンから手当てを受けていたときの事
負傷しながらも強がるオビトに向けてのリンの言葉
「強がらないで」
「私はあなたを見てるから」
「火影になるって約束してくれたでしょ」
「私決めたの」
「あなたの事を隣で見守るって」
「だから隠さないで」
「頑張ろう オビト!」
「カッコいい火影になって」
「世界を救うところを私にみせてね」
「約束だよ」
―
「……」
無言でその手を見つめるオビト。
そこにナルトが追い討ちをかける
十尾と融合して引き裂かれそうになった際
カカシやリンとの思い出により自身の心を繋ぎとめたことを指摘するナルト
「だからお前はまだオビトなんだ」
「十尾の人柱力になったとしてもな」
「違うか?」
「だがお前がみんなにしたことは許せねぇ」
「木の葉のうちはオビトとして戻って来い」
「そして自分のしたことを償え」
「お前がみんなから逃げ続けてるのは」
「お前が最も恐れる孤独がまってるって知ってるからだ」
「現実の世界にとどまる必要はない」
「来い!ナルト」
「もしもリンが生きてたらこういったろうよ」
「強がらないで」
「私があなたを見てる」
「お前はお前にしかなれねぇ」
「逃げるのは止めて」
「こっちへこい!オビト」
オビトに手を差し出すナルトで次週へ
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